就職活動や転職活動などで業界研究をしている方に向けて、冠婚葬祭業界について紹介していきたいと思います。 冠婚葬祭業界は結婚式やお葬式など人生の節目に携わる重要な役割を担う業界。業界ならではの仕事や魅力、将来性など詳しく解説していきますのでぜひ最後までご覧ください。目次冠婚葬祭業界とは冠婚葬祭は日本では古くから重要視されてきた文化です。その中でも婚礼と葬式は親族や知人など多くの人を集めて行われる、人生の節目の行事です。昔は家や村単位で行われてきましたが、現代の家族の多様化や人とのつながりの変化により、サービスとして提供されるようになりました。冠婚葬祭業界は、主に、結婚に関わる事業を総合的に展開するサービスを提供するブライダル業界、葬儀の企画や進行を全般的に行う葬儀業界の2つに分けられます。冠婚葬祭業界の仕事とは冠婚葬祭業界の仕事といっても、「婚」に関わるブライダル業界、「葬」に関わる葬儀業界では違うイメージを持つ人もいると思います。仕事内容を細かく分けると、それぞれ共通する仕事もあれば、異なる仕事もあります。具体的な仕事について、以下で詳しく紹介します。 冠婚・葬祭 両業界で共通の職業法人営業法人営業とは、法人を相手に営業活動を行う職種です。ブライダル業界なら、会場を貸してくれるホテル、ヘアメイクをする美容室などに営業に出向くことが多くなるでしょう。一方、葬儀業界では生花を提供してくれる花屋、食事やお弁当を提供してくれる飲食店などに営業をかけることになります。どちらの業界も契約を結んでもらえるよう、自社の魅力を売り込むという点では、共通しているといえます。事務職事務職は、経理や人事、書類作成や電話対応など幅広い業務があります。基本的にはデスクワークで、どちらの業界でも同じような業務内容にはなりますが、会社の規模によっては事務のみならず、サポートとして他の業務を手伝い、スタッフをフォローして仕事を進める場合もあります。ブライダル業界の仕事の種類ブライダル業界にはさまざまな形で携わる仕事があります。その主な仕事の種類を紹介していきます。ウエディングプランナーブライダル業界といえば、真っ先にこの仕事のイメージを持つ人も多いでしょう。ウエディングプランナーは、結婚式の全体のコーディネートを行い、式場や料理、式の演出などのプランを考え、提案します。イベントディレクターイベントディレクターは式において進行を管理する仕事です。新郎新婦の入場のタイミングや余興の構成、タイムスケジュールの管理など、素敵な式を裏で支える人になります。ドレススタイリスト新婦になれば誰もが憧れるウエディングドレス。そんな新婦が着るドレスのスタイリングを担当するのがドレススタイリストです。新婦の魅力を引き出し、美しく輝かせることができるか、技術が問われる仕事です。メイクアップアーティスト同じく新婦を美しく輝かせるのがメイクアップアーティストです。式のシチュエーションや衣装に合わせ、メイクや髪型のコーディネートを行います。音響スタッフ・照明スタッフ主役の新郎新婦を引き立たせる裏方である音響スタッフや照明スタッフも、式を支える大切な役割です。式の中で流れるBGM、主役を照らす照明のタイミングなど、一生に一度、印象に残る式にできるか、その技術が問われます。カメラマンカメラマンは式の一瞬一瞬を切り取り、カメラに収める役割を担います。写真はずっと残るものです。素晴らしい思い出を残すために、主役の表情のみならず、家族、友人の表情の動きも逃さず撮影できる高度な腕が求められます。司会者式の進行を行う司会者は、新郎新婦との入念な打ち合わせを行って「どんな式にしたいのか」を実現する仕事になります。式を成功させるためには重要な役割で、時間の調整など意識を配りながら式を進めていきます。フローリスト式の会場の雰囲気を盛り上げるのに欠かせないお花ですが、その花をトータルコーディネートし、空間を演出するのがフローリストです。気温や湿度を確認しながら、花を綺麗な状態に保てるように気を配る繊細さが求められます。葬儀業界の仕事の種類葬祭ディレクター葬祭ディレクターは、葬儀の運営全般を担い、会場の設営や式の司会進行のみならず、宗教者との打ち合わせや法要についての手配などを行い、幅広く業務を行います。納棺師納棺師は、亡くなった人のご遺体を棺桶に収める役割を担う仕事です。ご遺体の腐敗を防ぐための処理を行い、化粧を施すなど、遺族と別れる最期の姿を美しくすることも求められます。湯灌師湯灌とは、葬儀の前にご遺体を洗浄することをいいます。ご遺体を綺麗にすることで、この世の汚れを洗い落とすという意味も込められています。湯灌師はご遺体を入浴させ綺麗にする仕事です。心を込めて丁寧に施すことが求められます。エンバーマーエンバーマーは、遺体衛生保全ともいわれ、ご遺体の腐敗を防ぐため、さまざまなケアを行う仕事です。薬品を使ってご遺体の防腐処置などを行います。近年感染症対策の観点でも需要が高まっており、仕事を行うにあたり医学の知識も必要とされます。終活アドバイザー終活アドバイザーは、終活に関するさまざまなことを相談する人のことをいいます。社会保険制度や財産管理などの知識のアドバイスを行えるのが特徴で、専門性が問われる仕事です。お墓ディレクターお墓ディレクターは、お墓に関する幅広い知識と教養が求められるお墓のプロフェッショナルです。知識を活かし、お墓をつくりたい人に対しさまざまなアドバイスや提案を行います。お墓の関連業において、必要なスキルとして求められている所も増えてきています。仏事コーディネーター仏事コーディネーターは、仏教や仏壇など、仏事に関する知識を豊富に持っており、仏事に関するあらゆることの相談にのる仕事です。亡くなった方の供養や、お盆やお彼岸などの仏事に関することまで知識を学びます。グリーフケアアドバイザーグリーフとは、大切な人を失ったことによる悲しみのことを指します。グリーフケアアドバイザーは、遺族の深い悲しみに寄り添い、立ち直れる段階になるまで心のケアを行います。仕事を行うには資格が必要となります。 冠婚葬祭業界の主要企業大手の結婚式場や葬儀場の企業は、テレビCMなどでも見かけます。ここで、冠婚葬祭業界において「婚」に関わるブライダル業界と「葬」に関わる葬儀業界の主要企業をそれぞれ3企業ずつ紹介していきます。 ブライダル業界の主要企業テイクアンドギヴ・ニーズ全国に100会場の式場の運営を行っている業界でも最大手の企業。結婚式場だけでなく、ブライダルローン(貸金)やハネムーンなどの旅行業も手がけています。ツカダ・グローバルホールディングス一軒家を貸し切って式を挙げるゲストハウスウエディングを日本で始めて開設した企業。婚礼事業のほか、ホテル事業やリラクゼーション施設の運営なども行っています。ワタベウェディング海外のリゾート地で行う結婚式の草分け的存在の企業。国内外の挙式サービス、ウエディングドレスなどの衣装、写真事業を展開しています。 葬儀業界の主要企業ベルコ国内最大手の冠婚葬祭企業で、結婚式場のベルクラシックや葬儀場のシティホールベルコ会館を全国各地に展開しています。各地域に子会社があり、子会社を通じて運営しています。セレマ関西や中国地方を中心に結婚式場、葬儀場を展開する企業。地方にも葬儀場を展開しています。日本セレモニー山口県に本社を置く企業で、葬儀場の典礼会館を運営しています。また、仏壇仏具・墓石を販売する「合掌堂」や、ホテル、レストランなども手がけています。 冠婚葬祭業界の魅力冠婚葬祭業界の仕事は、業界ならではのやりがいや魅力があり、他の仕事ではなかなか味わえない経験ができます。例えば、人生の門出や最期の時を支える、感謝の言葉をいただける、接遇マナーを身につけることができる、などです。冠婚葬祭業界の将来性人生のあらゆる場面に立ち会える冠婚葬祭業界ですが、ここで業界の仕事の将来性について、「婚」に関わるブライダル業界、「葬」に関わる葬儀業界それぞれみていきます。 ブライダル業界の将来性ブライダル業界でいうと、結婚式の規模は経済動向に左右されやすく、ひと昔前は派手で豪華な結婚式が好まれていました。現在は、シンプルな結婚式や身内だけの結婚式、結婚式を挙げずに写真のみ撮影するなど、結婚式のとらえ方が多様化しています。コロナの影響で結婚式の中止・延期が相次いでいるのも事実。また、少子化や晩婚化、景気動向などを鑑みると、この先明るく安定した業界と明言することは難しいといえます。多様性のあるブライダル事業を展開している会社などを中心に求人情報を確認するのがおすすめです。 葬儀業界の将来性一方、超高齢化社会の日本においては、葬儀業界は可能性のある業界です。コロナの影響で葬儀の規模は縮小傾向にありますが、ブライダル業界と異なり、葬儀を中止・延期するということは基本的には起こりません。また、家族葬や自宅葬など、葬儀の在り方も多様化しています。お客様のニーズにどれだけこたえられるかが肝なので、企業選びは新しい考え方や葬儀の在り方を吸収し、サービスを展開している企業がおすすめです。 まとめ今回は冠婚葬祭業界について紹介していきましたがいかがでしたでしょうか? 「婚」に関わるブライダル業界、「葬」に関わる葬儀業界、どちらも魅力的ではありますが、いざ就職を目指すとなると、倍率が低く将来性がある葬儀業界を目指すのが良いのではないかと思います。 葬儀業界はブライダル業界とは異なりなかなか馴染みのない業界ではありますが、やりがいが大きく、人の心に寄り添い悲しみを一緒に乗り越える、とっても重要な役割です。 今回の記事を読んですこしでも葬儀業界に興味を持たれた方はぜひその他の記事もチェックしてみてくださいね。お仕事が気になった場合は、アドバイザーに聞いてみよう!お仕事が気になる、話をもっと詳しく聞きたいという方はお気軽に「葬儀のおしごと」にお問い合わせください。 業界に精通したアドバイザーがお仕事について詳しくご説明いたします。