葬儀屋の仕事と聞くと、「大変そう」「夜も働いてそう」といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。では実際の給料や待遇はどうなのでしょうか?本記事では、葬儀業界で働くさまざまな職種の年収、勤務形態ごとの違い、残業代やボーナスの有無、昇格の仕組みまで詳しく解説します。「給料が安いって本当?」「どの職種が高いの?」といった疑問を解消できる内容になっています。これから葬儀業界で働きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。目次葬儀屋の給料は安い?職種別に紹介!葬儀業界の給料は、「どの職種か」「どんな働き方か」によって大きく異なります。たとえば、式全体を取り仕切る葬祭ディレクターと、裏方で働く内勤職では、業務内容だけでなく年収にも差があります。また、経験やスキル、資格の有無によっても給料が上がるため、一概に「高い」「安い」とは言い切れません。近年では終活ブームにより、終活カウンセラーなど新しい職種も増えており、それぞれに異なる給与水準があります。本章では、代表的な職種ごとに平均年収や特徴をわかりやすく紹介していきます。仕事内容と報酬のバランスを把握して、自分に合った働き方を見つける参考にしてください。 葬祭ディレクターの平均年収・給料 葬祭ディレクターは、葬儀全体の流れを管理・進行する役割を担います。遺族との打ち合わせから式の準備、当日の進行、アフターフォローまで幅広く対応するため、責任のあるポジションです。その分、給与水準も比較的高めです。平均年収は350万〜500万円程度。経験年数や資格(葬祭ディレクター1級・2級)によってさらに上がることもあります。特に1級資格を取得していると、年収600万円を超えることもあります。夜間の対応や休日出勤が必要な場合もあり、体力面やメンタルの強さも求められる職種です。業界内でキャリアを積みたい方や、リーダーシップを活かしたい方には向いている職種といえるでしょう。努力次第で着実に昇給が狙える職種でもあります。生花スタッフの平均年収・給料 生花スタッフは、葬儀で使う花のアレンジメントを担当する仕事です。祭壇に飾る生花や供花を美しく整え、場の雰囲気を整える重要な役割を担っています。直接遺族と関わる機会は少ないですが、裏方として葬儀全体の印象を左右する繊細な仕事です。平均年収は250万〜350万円程度で、正社員・契約社員・パートなど雇用形態によって大きく異なります。花に関する知識やフラワーアレンジメントのスキルが求められるため、経験者は優遇される傾向にあります。また、繁忙期と閑散期の差が大きいため、時期によって収入の波があるのも特徴です。芸術的なセンスを活かせる仕事をしたい方や、静かに支える仕事が好きな方にはぴったりの職種です。納棺師の平均年収・給料 納棺師は、亡くなった方を丁寧に清め、棺へ納める専門職です。映画などで注目されることも多く、葬儀業界の中でも特に神聖で繊細な役割を担っています。平均年収は300万〜450万円程度。技術力や経験によって給料に差が出やすく、専門の研修や資格を取得していると評価されやすい傾向にあります。また、深夜や早朝に呼び出されることもあるため、勤務時間が不規則になりやすいのが特徴です。納棺の作法には細かい決まりがあり、ご遺族への配慮も求められるため、精神的な強さと高い集中力が必要とされます。感謝される機会が多く、やりがいを感じやすい仕事ですが、体力と気配りの両方が求められる職種でもあります。湯灌師の平均年収・給料 湯灌(ゆかん)師は、亡くなった方の体を洗い清め、身支度を整える専門職です。ご遺族の目の前で儀式として行うことも多く、丁寧さと礼儀が特に重視される仕事です。平均年収は280万〜400万円前後。専門技術が必要なため、未経験からのスタートでは最初は年収が低めですが、経験を積むことで昇給のチャンスもあります。派遣や委託で働いているケースも多く、雇用形態によっても収入に差があります。仕事の性質上、深夜や早朝の勤務もあるため、不規則な生活になりやすい点は注意が必要です。ただし、ご遺族からの感謝の言葉を直接いただける機会も多く、「人のために尽くす」気持ちを大切にできる方にとっては、非常にやりがいのある職種といえるでしょう。仏事コーディネーターの平均年収・給料 仏事コーディネーターは、法要や仏壇・お墓の準備、宗教的な儀式全般のアドバイスを行う専門職です。葬儀後のアフターフォローを中心に、仏教や宗教的な知識を活かしてご遺族を支える役割を担います。平均年収は300万〜450万円程度で、知識や経験が豊富な人はそれ以上の年収を得ることもあります。宗派によって対応が異なるため、宗教的なマナーや風習に詳しいことが求められます。葬儀の後も続くご家族の不安に寄り添い、落ち着いてサポートできる人が向いています。接客スキルや提案力も必要な職種のため、営業経験や接遇スキルがある方はその経験を活かすことができます。葬儀後も人とのつながりを大切にしたい方におすすめの職業です。終活アドバイザー・終活カウンセラーの平均年収・給料終活アドバイザーや終活カウンセラーは、生前から自分の最期を考える「終活」をサポートする職業です。葬儀や相続、介護、保険など幅広い分野にまたがるため、総合的な知識と提案力が求められます。平均年収は300万〜450万円ほど。働く場所や雇用形態によっては、さらに幅があります。葬儀会社だけでなく、保険会社や福祉施設、NPO法人などでも活躍する場が広がっており、今後ニーズが高まる職種といえるでしょう。相談業務が中心になるため、人の話を丁寧に聞く姿勢が重要です。また、資格(終活アドバイザー認定講座など)を持っていると信頼度も高くなり、待遇面でもプラスになる可能性があります。営業の平均年収・給料葬儀業界における営業職は、事前相談や会員獲得、葬儀プランの提案などを行います。生前から備える「事前相談」の需要が高まっており、営業活動の重要性も年々増しています。平均年収は350万〜500万円程度。歩合給が設定されている会社では、成績次第で年収600万円以上も可能です。その反面、結果が収入に直結するため、安定感を求める人にはプレッシャーになる場合もあります。接客・営業経験がある人は比較的入りやすく、コミュニケーション能力が高い人に向いています。お客様に寄り添いながらプランを提案できる力が求められるため、誠実さと柔軟な対応力も大切です。内勤職の平均年収・給料 内勤職は、事務処理・電話対応・請求書の発行・来客対応などを担当します。お客様と直接会う機会は少ないですが、会社の運営を支える重要な役割を担っています。平均年収は250万〜350万円前後とやや低めですが、安定して働ける職種です。残業も少なめで、ワークライフバランスを重視したい人には向いています。一般的なPCスキル(Excel・Word)やビジネスマナーがあれば、未経験でもチャレンジしやすいのが特徴です。パートや時短勤務など柔軟な働き方も選べるため、家庭との両立を目指す方にも人気があります。人と接するのが得意でない方でも、葬儀業界で働く入口として選ばれることの多い職種です。勤務形態で給料は異なる!葬儀業界では、正社員・契約社員・パート・アルバイトなどさまざまな勤務形態があります。基本的に正社員の方が月給制で安定した収入があり、ボーナスや昇給、各種手当も支給されることが多いです。一方で、パートやアルバイトは時給制で、時給1,100円〜1,500円程度が相場です。扶養内で働きたい人や、短時間で働きたい人にとっては柔軟な働き方が可能ですが、収入は限られます。契約社員の場合は正社員に近い待遇を受けることもありますが、賞与や昇給の有無は会社によって異なるため、求人情報をしっかり確認することが大切です。自分のライフスタイルや収入の目標に合わせて、最適な働き方を選びましょう。正社員の場合 葬儀屋で正社員として働く場合、安定した月給制で、賞与(ボーナス)や昇給、社会保険、退職金などの福利厚生を受けられるケースが多いです。平均年収は職種によって差がありますが、300万〜500万円程度が相場とされています。正社員は葬儀の準備から当日対応、アフターケアまで一連の業務を担当することが多いため、責任も大きくなります。土日祝の出勤や夜間対応が必要なこともありますが、その分スキルアップやキャリア形成の機会も豊富です。また、役職が付けば年収600万円以上も目指せます。長期的に安定して働きたい方や、業界でのキャリアアップを考えている方には正社員がおすすめです。パート・アルバイトパート・アルバイトとして働く場合、業務内容は補助的なものが中心です。例えば、受付対応や式場の清掃、案内、軽作業などが多く、未経験からでも始めやすいのが特徴です。時給は1,100円〜1,500円程度で、地域や会社によって幅があります。勤務日数や時間を調整しやすいため、子育てや介護などの事情がある方、Wワークを希望する方にも向いています。ただし、賞与や昇給、社会保険などの福利厚生はフルタイム勤務でなければ対象外となることが多いため、収入は安定しづらい点もあります。パートから正社員登用を目指せる制度を導入している企業もあるため、将来的に正社員を目指す方は、登用制度の有無を確認しておくとよいでしょう。残業代やボーナスは出る?葬儀屋の仕事は、不規則なスケジュールや急な対応が多く、残業が発生しやすい職種です。そのため、残業代の支給があるかどうかはとても重要なポイントになります。多くの葬儀会社では、正社員には残業代が支給されることが一般的ですが、「みなし残業」制度を採用しているところもあります。これは一定時間分の残業手当を最初から給料に含める制度で、実際の残業時間によっては追加の支給がない場合もあるため、注意が必要です。また、ボーナスについては年2回支給される企業が多いですが、業績連動型のため金額に差が出やすいです。業界全体では、年10万円〜50万円程度の支給が一般的です。残業代やボーナスがきちんと支給されるかは、求人票や面接時にしっかり確認することが大切です。葬儀屋の仕事は給料に対して過酷?葬儀屋の仕事は、人の死に向き合うという精神的な負担が大きい職種です。また、夜間の呼び出しや突然のスケジュール変更があるため、勤務時間が不規則になることも珍しくありません。それに対して給料がそれほど高くないと感じる人もおり、「給料に見合わない」と感じてしまうケースもあります。ただし、やりがいや感謝される機会が多く、「収入以上の価値がある」と感じている人も少なくありません。負担が大きいと感じやすい分、職場環境や人間関係、サポート体制がしっかりしているかどうかがとても重要です。転職や就職を考える際は、仕事内容だけでなく、働きやすさやサポート制度も確認することをおすすめします。昇格はある?昇格する秘訣は?葬儀業界でも、経験やスキルを積むことで昇格して年収アップを目指すことが可能です。主任→係長→課長といったキャリアステップを用意している企業もあり、管理職になれば年収600万円以上も期待できます。昇格するためには、日々の仕事で成果を出すだけでなく、会社から信頼される行動や発言が求められます。以下に、昇格を目指すためのポイントを紹介します。資格を取る昇格を目指すなら、葬祭ディレクター1級・2級などの資格取得が大きな武器になります。これらの資格は業界での評価が高く、責任ある仕事を任されやすくなります。資格を持っていることで、専門知識があると認められ、役職につきやすくなるだけでなく、給料にも反映されるケースが多いです。特に1級は実務経験が必要なため、一定年数働いたうえでのステップアップにもなります。また、仏事コーディネーターや終活アドバイザーなど、関連する資格を取得することで業務の幅が広がり、昇格のチャンスも増えます。会社が資格取得を支援している場合もあるので、活用しながらスキルアップを目指しましょう。業務の幅を広げる昇格の近道は、自分の仕事にプラスして新しいことに挑戦する姿勢を見せることです。たとえば、葬儀だけでなく、法要や終活相談、営業活動などにも積極的に関わることで、上司からの評価が高まります。マルチに動ける人材は、どの会社でも重宝されるため、「この人に任せれば安心」と思ってもらえることが昇格のポイントになります。また、チームのまとめ役や新人教育なども積極的に引き受けると、信頼につながります。一つの仕事にとどまらず、全体を見渡せる視点を持つことで、管理職への道も開けてきます。小さなことの積み重ねが将来の評価につながることを意識しましょう。昇格の仕組みが明確な会社に就職・転職するどれだけ努力しても、昇格制度が曖昧な会社ではチャンスが得られにくいのが現実です。そのため、就職・転職の際には、「昇給・昇格の評価基準が明確にあるか」を確認することがとても大切です。昇格条件が明文化されていたり、年に一度の評価制度が整っていたりする会社は、努力が正当に評価されやすい傾向にあります。また、「何年勤めれば役職に就けるか」などのキャリアパスが見えると、働くモチベーションも維持しやすくなります。企業研究の段階で、口コミサイトや面接での質問などを通じて情報収集することで、働きがいのある環境かどうかを見極めることができます。まとめ葬儀屋の仕事は、職種や勤務形態によって給料に幅があります。責任のあるポジションでは年収500万円以上も可能ですが、パートやアルバイトでは時給制となり、年収も抑えめになります。また、昇格のチャンスはしっかりあり、資格取得や業務範囲の拡大によってキャリアアップも十分可能です。残業や夜勤が発生する仕事もあるため、「給料が見合うかどうか」は自分の働き方や価値観と照らし合わせて考えることが大切です。葬儀の仕事は精神的にも体力的にも大変な面がありますが、その分やりがいや感謝の気持ちを受け取れる貴重な仕事でもあります。給料面だけでなく、働きやすさやキャリアパスも含めて総合的に判断し、自分に合った職場を選びましょう。特に昇格制度や残業代の支給体制が整っているかどうかをしっかり確認して、納得のいく就職・転職を目指してください。お仕事が気になった場合は、アドバイザーに聞いてみよう!お仕事が気になる、話をもっと詳しく聞きたいという方はお気軽に「葬儀のおしごと」にお問い合わせください。 業界に精通したアドバイザーがお仕事について詳しくご説明いたします。