近年、「終活カウンセラー」という資格が注目されていますが、一方で「怪しい」「本当に役立つの?」といった声も少なくありません。この記事では、終活カウンセラーがなぜ怪しいと言われるのか、その理由を正しく解説しつつ、実際の仕事内容や資格制度についても詳しくご紹介します。また、終活カウンセラーになるための流れや資格の種類、費用、目的ごとの活かし方なども紹介します。他の終活関連の職業との違いも比較し、資格を取得するべきかどうかを判断できる内容になっています。目次終活カウンセラーが怪しいといわれるのはなぜ?「終活カウンセラー」という言葉を聞いて、「よく分からない」「何となく怪しい」と感じる人は少なくありません。資格自体が民間のものであることや、聞き慣れない用語が使われるため、不信感を持たれやすいのが現状です。特に終活というテーマは死を連想させるため、初めて聞いた人にとってはネガティブに受け取られやすい傾向にあります。また、資格を名乗るには協会への年会費が必要など、費用面の情報が先行して伝わることで「お金がかかるばかりで信頼できない」と思われる場合もあります。しかし、実際の資格内容や役割をきちんと知れば、終活カウンセラーの必要性と価値が見えてきます。終活というワードがネガティブな印象を与えてしまう「終活」という言葉自体が「死を迎える準備」というイメージに直結しやすく、暗い印象を持たれることがよくあります。多くの人が「終活=お葬式や遺言」と考えがちで、前向きな活動とは思えないかもしれません。しかし、実際には終活は「これからの人生を自分らしく生きるための準備」です。医療や介護、財産管理などを整理し、家族に負担をかけずに人生の終わりを迎えるための計画です。終活カウンセラーはそのサポートを行う専門家であり、本人だけでなく家族にも安心感を与える存在です。それでも、「終活=死の準備」とだけ考える人が多いため、終活に関わる資格や仕事に不信感が生まれやすいのが現状です。終活カウンセラーという職業がどんな仕事をしているのかわからない終活カウンセラーの具体的な仕事内容が一般に広まっていないことも、「怪しい」と言われる理由のひとつです。実際には、終活カウンセラーは高齢者やその家族の相談役として、さまざまな場面で活躍しています。例えば、エンディングノートの書き方のアドバイスや、介護・医療の希望整理、相続や保険などの相談に対応します。また、必要に応じて弁護士や税理士、葬儀社などの専門家とつなぐ橋渡し役にもなります。幅広い知識が求められる職業ですが、「医療従事者」や「士業」ほどの知名度がないため、「何をしているか分からない」と感じる人も多く、それが不信感につながっているのです。終活カウンセラーを名乗るために協会への年会費が必要終活カウンセラーは、一般社団法人終活カウンセラー協会が認定する民間資格です。資格を取得するには講座受講やレポート提出が必要で、合格後も年会費を支払い、協会に登録し続ける必要があります。この「年会費」という仕組みに疑問を持つ人が多く、「資格を名乗るだけでお金がかかるのは怪しい」と考えられることがあります。ただし、年会費によって最新の情報提供や研修、講師活動の機会などが受けられるため、実際には活動支援の一環として位置づけられています。つまり、単なる“資格ビジネス”ではなく、資格取得後も継続して学び、活動していく仕組みが整っているということです。終活カウンセラーは怪しい仕事ではない一部で「怪しい」と言われることがある終活カウンセラーですが、実際には信頼性のある活動を行っている職業です。高齢化社会の進行により、人生の終わり方を自分で決めたいという人が増えており、終活への関心も年々高まっています。終活カウンセラーは、そうしたニーズに応える役割を担っています。専門的な知識を身につけて相談に対応し、必要な手続きやサービスの情報を分かりやすく提供します。地域のイベントやセミナーで講演を行うこともあり、社会的に認知されつつある存在です。つまり、「終活」という言葉が持つイメージとは裏腹に、実際の業務は多くの人に感謝される重要な仕事であり、怪しいどころか社会的意義の高い役割を果たしています。終活カウンセラーの仕事内容終活カウンセラーの主な仕事は、人生の終わりに向けて不安を感じている人たちをサポートすることです。対象は高齢者だけではなく、その家族や介護関係者など多岐にわたります。具体的な内容は以下の通りです:エンディングノートの書き方アドバイス財産・相続の整理に関する相談介護や医療の事前準備のサポート葬儀、墓、供養に関する希望整理自宅の整理や不用品の処分についての案内必要に応じて弁護士や税理士、葬儀社との連携また、終活カウンセラーは中立的な立場からアドバイスをすることが求められます。自分の意見を押し付けるのではなく、相談者が自分の意思で物事を決められるように支えるのが仕事です。このように、終活カウンセラーは知識だけでなく信頼や人間性も求められる専門的な職種です。地域包括支援センターや福祉団体、行政機関と連携することもあり、社会の中で必要とされる役割を担っています。終活カウンセラーになるには終活カウンセラーになるには、一般社団法人 終活カウンセラー協会が実施する講座を受講し、試験を経て資格を取得する必要があります。資格にはいくつかの種類があり、段階を踏んでスキルや知識を深めていくことができます。最初は「2級終活カウンセラー」からスタートし、より専門的な知識を身につけたい方は「1級」、さらに講師として活動したい方には「終活講師」という資格も用意されています。以下では、それぞれの資格について詳しく説明します。2級終活カウンセラーどのような資格か2級終活カウンセラーは、終活に関する基礎知識を身につける入門的な資格です。終活全般について学べるため、これから終活の仕事に関わりたい方や、自分自身や家族のために終活を考えている方にも向いています。内容としては、エンディングノートの活用法、相続や保険、介護・医療の知識などが中心です。試験に合格すると、終活カウンセラーとして名乗ることができるようになります。資格を取得するまでの流れ終活カウンセラー協会の公式サイトから申し込み指定された日時にZoomを利用したオンライン講座を受講(1日)講座終了後、レポートを提出レポートの審査結果を受け取り、合格すれば資格認定証が届く試験というよりは「講座+レポート審査」に近いため、難易度は高くありません。費用2級終活カウンセラー講座の受講料は 14,300円(税込) です。年会費が別途必要で、初年度は無料、次年度以降は年間3,000円がかかります。1級終活カウンセラーどのような資格か1級は、2級よりもさらに深い知識と実践的なスキルを学ぶ資格です。実際の相談対応やセミナー講師として活動したい方に適しています。2級資格を取得済みであることが前提条件です。受講できる条件2級終活カウンセラーであること年会費を継続して支払っていること協会が定める1級講座を受講すること資格を取得するまでの流れ1級認定講座(対面またはオンライン)を受講(2日間)課題レポートの提出協会による審査・面接合格者に認定証が交付され、1級として活動可能に費用1級講座の受講料は 55,000円(税込)。別途、継続年会費(3,000円/年)が必要です。終活カウンセラー協会認定終活講師どのような資格か終活講師は、終活カウンセラー講座の登壇や、自らセミナーを開催するための資格です。信頼性を高めたい人や、終活の普及活動をしたい人に向いています。受講できる条件1級終活カウンセラーであること過去に一定回数以上の講座またはセミナー経験があること(協会指定)資格を取得するまでの流れ協会による講師育成研修を受講模擬講義などを行い、講師としてのスキルを確認最終審査に合格すれば、講師として活動が可能に費用講師研修や認定のための費用は おおよそ7万円前後。開催内容や地域により変動があります。終活カウンセラーを取得する目的を明確に終活カウンセラーの資格は「持っていれば安心」なものではなく、どう活かすかが重要です。資格取得の目的を明確にすることで、学ぶべき内容や将来の働き方も具体的になります。ここでは主な3つの目的をご紹介します。キャリアアップのため福祉・介護・医療などの業界で働く人にとって、終活カウンセラーの資格はキャリアアップにつながる強みになります。利用者本人やその家族と話す場面で、終活に関する正しい知識があると信頼を得やすく、仕事の幅も広がります。例えば、介護施設や訪問看護の現場では、家族が「この先の準備をどう進めればいいか?」と相談してくることがあります。そんなときに、エンディングノートの書き方や相続・保険などの基本情報を丁寧に伝えられると、専門職としての評価が高まります。また、行政・葬祭業・保険業界でも終活の知識は歓迎される傾向にあり、他の資格との組み合わせでさらに価値が高まります。自身の終活を行うため「自分の人生をきちんと整理しておきたい」「家族に迷惑をかけたくない」と考えている人にも、終活カウンセラーの資格は役立ちます。資格取得を通して学ぶ内容は、実生活に直結しており、自分の終活にもそのまま活かせます。特に、エンディングノートや財産管理、医療・介護の希望などは、自分の意思をはっきり伝える手段として重要です。資格を取得することで、その重要性を理解し、具体的にどんな準備が必要かを自分の目線で把握できます。独立するため終活カウンセラーは、フリーランスや講師として活動することも可能です。特に1級や講師資格を取得すれば、地域で終活セミナーを開催したり、個人の相談業務を行ったりすることができます。高齢化が進む中で、終活に関する相談をしたいという人は今後ますます増えると予想されます。自宅で開業することも可能で、時間の融通も利くため、子育てや介護をしながら働きたい方にも向いています。終活カウンセラー以外の終活に関わる職業は?終活に関する資格は終活カウンセラーだけではありません。他にも似たような資格や職種があり、それぞれに特色があります。以下では代表的な4つを紹介します。終活アドバイザー終活アドバイザーは、終活に必要な情報提供を中心とした民間資格です。主にエンディングノートの書き方や葬儀、相続などの基本的な知識を学びます。通信講座で取得可能なため、比較的手軽に始められるのが特徴です。終活士終活士は、終活に関する深い専門知識を持ち、個別相談に対応することができる資格です。遺言、保険、相続、仏事などのテーマを広くカバーしており、特に士業(行政書士・司法書士など)との連携が求められるケースに強みがあります。終活ガイド終活ガイドは、一般社団法人終活ガイド協会が認定している資格で、地域に根ざした活動を重視しています。初級から上級まで段階的にレベルが分かれていて、自分の目標に応じてスキルアップが可能です。終活ライフケアプランナー医療・介護の分野に特化した終活の資格で、看護師や介護士などが取得するケースが多いです。医療・介護現場での終末期ケアや家族支援を専門的に学ぶ内容が含まれています。まとめ終活カウンセラーは「怪しい」と誤解されることもありますが、実際には高齢社会においてとても重要な役割を担う職業です。協会が認定する資格を通して、終活に関する正しい知識を学び、相談者や家族に安心を与えるサポートができます。2級から始めてステップアップしながら、自分の目的に合わせた働き方や活かし方が可能です。また、終活に関連する他の資格と比較することで、自分に合った進路が見えてきます。将来の不安を少しでも減らし、自分自身や周りの人たちの人生を豊かにするためにも、終活カウンセラーは価値のある選択肢といえるでしょう。お仕事が気になった場合は、アドバイザーに聞いてみよう!お仕事が気になる、話をもっと詳しく聞きたいという方はお気軽に「葬儀のおしごと」にお問い合わせください。業界に精通したアドバイザーがお仕事について詳しくご説明いたします。