葬儀屋の仕事に対して「大変そう」「精神的にきつい」というイメージを持つ方は多いかもしれません。でも実際には、感謝される機会も多く、やりがいを感じられる場面もたくさんあります。この記事では、葬儀屋の仕事内容や1日の流れ、休日の取り方、仕事の大変な面と良い面、向いている人の特徴など、リアルな情報をわかりやすく解説します。葬儀業界に興味がある方や、就職・転職を考えている方の参考になれば幸いです。目次葬儀場での仕事内容とは?葬儀屋の仕事は、ただお葬式を手配するだけではありません。亡くなられた方の搬送から始まり、遺族との打ち合わせ、通夜・告別式の準備、式の進行、そして式後のフォローまで、幅広い業務があります。また、宗教や地域によっても進め方が変わるため、柔軟な対応力も求められます。悲しみに暮れるご遺族を支え、安心して故人を送り出せるようにするのが葬儀屋の大切な役割です。ひとつひとつの仕事が人の心に深く関わるため、責任も重いですが、その分、深い感謝をいただける仕事でもあります。葬儀屋の仕事の流れ葬儀屋の一日は、まず「ご依頼を受けること」から始まります。突然の訃報に対して、落ち着いて対応することが求められます。次に、ご遺体の搬送・安置、通夜や葬儀の内容の打ち合わせ、必要な準備や式の進行、式後のサポートなど、すべてを段階的に進めていきます。それぞれの工程でご遺族との丁寧なやり取りが必要です。葬儀屋は一人で全てをこなすのではなく、チームで協力しながら進めることも多く、連携力も重要です。次の見出しから、具体的な流れを細かく紹介していきます。葬儀の依頼を受けるまず、葬儀屋の仕事は「ご逝去の連絡を受けるところ」から始まります。病院や自宅で亡くなられた際に、ご遺族から直接電話が入ることが多いです。電話を受けたら、すぐに必要な情報を確認し、迅速に動けるようにします。ご遺族は突然のことで動揺していることが多いため、葬儀屋としては落ち着いて、安心感を持ってもらえる対応が大切です。この初動で信頼されるかどうかが、その後の打ち合わせや式の進行にも大きく関わってきます。ご遺体の搬送・安置依頼を受けたら、次にご遺体を搬送します。搬送は専用の車両で行い、安置先は自宅や葬儀会館、安置施設など、ご遺族の希望に沿って決めます。ご遺体の取り扱いには細心の注意が必要で、清潔さや丁寧さが求められます。また、安置する際には、お線香や枕飾りの準備も行います。ご家族の悲しみに寄り添いながら、心を込めた対応が必要です。ここからが本格的な葬儀の準備のスタートとなり、遺族との信頼関係を築く大切な段階です。 お通夜・お葬式内容の打ち合わせ・見積もりご遺体の安置が終わったら、ご遺族と葬儀の内容について打ち合わせをします。どの宗教・宗派で行うか、どんな規模にするか、どこで行うか、誰を呼ぶか、など細かく決めていきます。また、費用についても見積もりを出し、内容と料金をしっかり説明します。分かりやすく丁寧な説明が求められるため、接客スキルも大事です。ご遺族の希望に沿った形で、最も納得できる葬儀を提案することが、葬儀屋の重要な役目です。 お通夜の手配打ち合わせで内容が決まったら、お通夜の準備に入ります。式場の予約、僧侶などの手配、参列者への連絡、香典や供花の準備など、多くの項目を一つ一つ進めていきます。当日は、進行を円滑に進めるための準備も欠かせません。遺族が安心して参列できるよう、案内や受付のサポートも行います。お通夜は、多くの方が故人と最後のお別れをする場。厳粛な雰囲気の中で、トラブルが起きないように配慮する必要があります。葬儀・告別式の手配お通夜の翌日は、いよいよ葬儀・告別式です。この日に向けて、祭壇の準備や司会進行、式の流れの確認などを行います。僧侶との最終確認や、ご家族への連絡も重要な仕事です。参列者が多い場合は、駐車場や送迎バスの調整も必要になります。当日はスタッフ全員が役割を分担し、時間通りに進行できるよう連携します。故人をしっかりと見送る大切な時間を、滞りなく進めることが葬儀屋の使命です。葬儀・告別式終了後のサポート式が終わったあとも、葬儀屋の仕事は続きます。お礼状や香典返しの準備、役所への手続きの案内、四十九日や法要の相談など、アフターフォローがたくさんあります。ご遺族にとっては、葬儀が終わったあとこそ心細くなる時期なので、適切なサポートがとても大切です。また、最近では遺品整理や仏壇の準備などについて相談されることも多く、葬儀後も寄り添い続ける姿勢が求められます。その他対応する葬儀の仕事最近では、一般的な形式にとらわれない葬儀のニーズが増えており、家族葬や直葬(通夜や告別式を行わない形式)、自然葬(樹木葬や海洋散骨)など、さまざまなスタイルに対応できる柔軟さが求められます。また、事前相談や生前契約(終活)に関する対応も葬儀屋の大切な仕事の一つです。こうしたサービスでは、ご本人が亡くなる前に希望を聞いておくことで、残された家族の負担を減らすことができます。また、火葬場の手配、会葬礼状の作成、貸衣装やマイクロバスの手配、弁当の準備など、細かな部分もすべてサポートするため、事務作業のスキルも必要です。お葬式を一から十まで支える「トータルサポート」が、現代の葬儀屋に求められる役割になっています。葬儀場の1日の流れ葬儀屋の1日は、日によって大きく変わります。通夜や葬儀がある日は、朝から式場の準備に入り、式が終わるまで長時間働くこともあります。一方、葬儀がない日は、次の式の準備や事務作業、相談対応などが主な業務です。朝の出勤後は、前日の報告やスケジュール確認を行い、チームでその日の動きを共有します。その後、搬送・打ち合わせ・準備・式の運営といった業務が入り、夕方~夜に退勤します。予測できないことも多いため、臨機応変な対応力が求められる仕事です。葬儀場の休日事情は?きちんと休める?「葬儀屋って休めるの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。確かに、葬儀はいつ発生するか予測ができません。そのため、シフト制で勤務している会社が多く、土日や祝日も出勤になることがあります。ただし、代休や有給を活用しながら、スタッフ同士で調整してしっかり休める体制を整えている葬儀社も多いです。また、急な呼び出しに対応する「当番制」を導入している場合もあります。休みにくいイメージがあるかもしれませんが、働き方改革の影響もあり、最近では無理のない勤務環境を整える動きが進んでいます。葬儀場の仕事は辛い?実際はどう?葬儀屋の仕事に「辛そう」というイメージを持つ人は多くいます。確かに、大切な人を亡くされた方に接する仕事であるため、精神的に重い場面に立ち会うこともあります。また、時間が不規則だったり、感情をコントロールする必要がある場面も多く、簡単な仕事ではありません。しかし、その一方で「感謝される機会が多い」「人の支えになれる」といったやりがいを強く感じられる仕事でもあります。ここでは、実際にどのような部分が辛いとされているのか、そしてそれを乗り越える中でどんな価値を感じられるのかを詳しく見ていきます。どんな点が、葬儀場の仕事が辛いと言われているの?葬儀屋の仕事が「辛い」と言われる理由はいくつかあります。まず、精神的な負担です。ご遺族の深い悲しみに寄り添う中で、自分自身の感情を抑えながら冷静に対応しなければなりません。また、ご遺体の搬送や処置を担当する際に、命の重みを直に感じる場面もあり、慣れるまでは強いストレスを感じる人もいます。さらに、勤務時間が不規則になりやすい点も大変です。急な依頼が入ることも多く、夜中や早朝に呼び出される場合もあります。休日も固定ではないことが多く、友人や家族と予定を合わせにくいという声もよく聞かれます。加えて、ミスが許されにくい仕事でもあります。葬儀は人生で一度きりの大切な儀式なので、少しの手違いも信頼を損なう原因になります。そのため、細かいところにも気を配り続けるプレッシャーが常にあります。このように、葬儀屋の仕事は「体力」「精神力」「責任感」の3つが強く求められる職業と言えるでしょう。葬儀場での仕事は辛いことだけじゃない!感じられるやりがい大変なことも多い葬儀屋の仕事ですが、それ以上に「やっていて良かった」と感じる瞬間もたくさんあります。なかでも大きいのが、ご遺族からの感謝の言葉です。「本当に助かりました」「あなたがいてくれて安心でした」と言われたとき、苦労が報われたと感じる方が多いです。葬儀は、ただの儀式ではなく、遺族にとって大切な別れの時間です。そこで支えになれるということは、大きな意味があります。また、故人の人柄や生き方を知る中で、「この人のために最高のお見送りをしたい」と自然に思えるようになります。それがやりがいにつながります。また、最近は葬儀の形が多様化しており、遺族の希望に合わせた「オリジナル葬儀」や、小規模でも心のこもった家族葬など、提案の幅も広がっています。自分の提案で遺族が安心し、納得してくださると、大きな達成感が得られます。人の人生と向き合い、深く関われるこの仕事は、表面だけではわからない魅力があります。辛さを乗り越えた先にあるやりがいこそが、長く続ける人たちの原動力になっています。葬儀場の仕事で向いている方はどんな人?葬儀屋の仕事に向いている人には、いくつかの共通した特徴があります。まず一番大切なのは「人の気持ちを思いやれること」。悲しみの中にいるご遺族に、寄り添った対応ができることが求められます。また、冷静さや落ち着いた対応力も必要です。突然の出来事にも慌てず、正確に行動できることが信頼につながります。さらに、細かいところに気づける観察力や、ていねいな仕事ができる人も向いています。葬儀の現場では、小さな配慮や準備が全体の印象を大きく変えることがあります。体力や精神力も重要です。長時間の勤務や、不規則なスケジュールに対応する柔軟さが求められるからです。逆に言えば、これらの力が自然と発揮できる人には、非常に向いている仕事です。最後に、人のために働くことにやりがいを感じられる人。葬儀屋は「ありがとう」と言ってもらえることが多い仕事なので、人の役に立ちたいという思いが強い人にはぴったりの仕事です。葬儀場での仕事は辛い以上に、日々感謝される”やりがい”のある仕事!葬儀屋の仕事は、確かに楽ではありません。体力や精神力が必要ですし、ご遺族に常に寄り添いながら進めるため、緊張感のある場面も多くあります。でも、その分、やりがいは非常に大きい仕事です。一番の魅力は、「人に心から感謝される仕事」であること。人生の最期を見届け、遺族にとって忘れられない時間を支える役割は、他の仕事ではなかなか得られない特別なものです。「あなたが担当で良かった」と言っていただけるたびに、この仕事の価値を実感できます。また、故人の想いや遺族の希望を大切にしながら、一つひとつ丁寧に作り上げていく葬儀には、創造性や人間力も求められます。日々の仕事の中で、成長できる場面も多く、自分自身の心も豊かになっていくでしょう。葬儀屋という職業は、単なる「サービス業」ではありません。人の人生と真正面から向き合い、支えになることができる、かけがえのない「人のための仕事」なのです。お仕事が気になった場合は、アドバイザーに聞いてみよう!お仕事が気になる、話をもっと詳しく聞きたいという方はお気軽に「葬儀のおしごと」にお問い合わせください。業界に精通したアドバイザーがお仕事について詳しくご説明いたします。