葬儀場や病院などで霊柩車を見たことがある方は一定数いらっしゃるかと思いますが、どのような仕事内容なのか、どのような勤務形態なのかはあまり知られていません。そこで、今回は霊柩車の運転手の仕事を詳しく解説していきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください。目次霊柩車とは?霊柩車とは、遺体を運び送る自動車のことで、「遺体を納めたひつぎを式場から火葬場への搬送に用いられることを主とした用途の装飾を施した特殊仕様車」を示すことが一般的です。遺体はひつぎに納められているので、ボディーの後の部分にはひつぎを動かないようにするレール・安全装置が取り付けられています。遺体を運び送ることを目的とした所定の特別な用途に使用する自動車であるため、運送事業に用いられる車両を表す緑色のナンバープレートに8ナンバーが登録されています。霊柩車を利用して遺体を運び送る目的を持って継続的に組織を経営する仕事とするには、国土交通大臣が適当と認めて、一般貨物自動車運送事業を許可することが必要です。霊柩車の運転手の仕事内容霊柩車の運転手について言えば、到着地である火葬場が開放されている時間内に収まる運転業務ですから、程度の差こそあれ勤務する時間帯は一定しているのです。勤務している葬儀社にも関係しますが、一日あたりの運行回数はおおむね3〜4回だといわれ、付随する業務としてひつぎを霊柩車に積み入れたり、反対に火葬場でひつぎを積み下ろしたりするなどの仕事を併せ持っています。注意すべき事項としては、あとに遺された家族・親族の人が乗り合わせることが挙げられるため、運転手の言葉と行いに細かな点まで心配りをした注意が要求されてます。霊柩車の運転手の仕事はつらい?離職率は低く、土日休みの会社もあれば、シフト制の会社もあり、有給休暇・長期休暇の取得率は企業によって異なっています。タクシーと異なり、自らお客様をとりに行くような仕事内容ではないので、おっとりした雰囲気であることが多く見受けられます。トラックのドライバーと比較すると長距離を運転する機会が基本的にはないので、肉体的な過酷さはあまりありません。霊柩車の運転手として一番注意やもてなしの心を向けるのが、運び送る際にあとに遺された家族・親族の人が乗車される時です。言葉と行いにも細かな点まで心配りをした注意が必要になりますし、喪に服している期間ですから口にしてはいけない言葉もあるので注意しなくてはいけません。ちょっとした言葉で相手の感情を損なってしまう可能性もあるので、気をつけることに心を向けたり注いだりすることが精神的圧迫となり、それに耐えたりするのが容易でないと感じる人もいるかもしれません。霊柩車の運転手の勤務形態遺体には微妙で細心の注意を要する扱いが必要であるとともに、あとに遺された家族・親族への事情をふまえて、気遣いのこもった取り計らいをすることも大切です。加えて主たる業務内容が運転ということもあるので、霊柩車の運転手の雇用形態は、大体において正社員もしくは契約社員となっています。信頼の気持ちを持つ人間にしか委ねられない職業であるため、短時間労働者・派遣労働者として、必要な働き手を求めている企業は基本的にないと判断してよいでしょう。勤務形態についてですが、火葬場が開いている昼の間、つまり8時から17時までの勤務であることが大部分で、一日に移動する距離は平均すると100km〜150kmほどです。ただし、拠点数が少ない企業では遠いみちのりを運び送ることが生じる場合もあり、そういった場合には長距離手当がつく事例もあります。霊柩車の運転手の平均年収毎月の月収は20万円〜25万円が相場で、ボーナスの有無にも関係しますが、1年間の収入にすると350万円を中心として、300万円〜400万円程度になります。夜間から早朝にかけて仕事をすることもあり、前もって給与金額が高めに設定されている場合が多く、それ以外の時間外労働に関しては、法律を基準として算定された金額が払い渡されます。ボーナスは一般的基準とくらべてみたときに判断すると大部分の企業が払渡していますが、全く支給されないといった事例もあるので前もって確かめておきましょう。それゆえに、できるだけ働いてお金を得たいのであれば、毎月の収入が相場程度でボーナスが支給される企業を見つけ出すのが賢明です。しかしながら、離職率の低い職種であるため、あまりこだわりを持ちすぎず、自分にあった条件やタイミングを見て応募しなければ求人募集が締め切られる可能性もあります。霊柩車の運転手は女性でもなれる?今に至るまでの情報に基づいて推測されている人もいらっしゃると思いますが、霊柩車の運転手はそれほど体をこき使う職業ではありません。ドライバー職に関しては、代表的なイメージとして体力が要求されますので、女性の場合はかかわりを持つことを嫌って避けている傾向にあることも一概に否定はできません。しかしながら、霊柩車の運転手としてであれば、女性であろうと無関係にめざましく活動できるチャンスがあります。実際に霊柩車の運転手の求人情報を広く見渡してみると、性別を問わずに募集している企業も多くありますので、運転手として仕事をしたい女性にとっては選択可能な仕事といえるでしょう。霊柩車の運転手の手当霊柩車の運転の仕事ではみなし残業手当が含まれ、月ごとにきまって支払われる給料が高く設定される傾向にあり、一定のみなし残業分を超えた際は、法律で定められた通りの計算に基づいて支払われます。最も気になるのがボーナスだと思いますが、企業によって貰える場合と貰えない場合があるので、応募要項をしっかりと確かめて、面接の際に再度確認することが重要です。ボーナスが出ない会社を例外とした場合、ボーナスが支給される企業の相場は年間30万円〜50万ほどといわれています。霊柩車の運転手になるために必要な資格霊柩車の仕事で必要な資格は普通自動車第一種免許・普通自動車第二種免許・大型第二種免許などが挙げられます。仕事に欠かせない最小限の範囲で取得する必要があるのが普通自動車第一種免許で、自分のものとして得ていない場合は不採用となる可能性もあるため、資格を取得しておかなければなりません。第二種免許を取得している人のみが運び送ることを可能としている企業もあるため、募集要項に書いて記されている内容を確かめておくことが不可欠となります。業界内でも、機能・用途・目的などが限られる車両としてバス型霊柩車がありますが、そのような車両を持っている企業を希望するのであれば、大型第二種免許を取得することは非常に有意義なものになります。霊柩車の運転手に向いている人あとに遺された家族・親族の人がお客様になるため、細かいところまで物事をきちんと行えて、あれこれ気を使うことができる人に適しています。企業としてもそういった人材を要求していることが多く、業界の知識がなかったとしても、細かい部分に注意や気配りが行き届いている対応ができるのであれば、喜んで受け入れられる傾向にあります。霊柩車と寝台車の両方を持っている企業も多く、夕方から早朝にかけて仕事ができる人はそのような企業からは喜んで迎えられるでしょう。霊柩車の運転手になるにはハローワーク・求人雑誌から見つけ出す方法もありますが、霊柩車の運転手の求人は全体の中で占めている割合があまり大きくないため、インターネットを利用して探し出す方法がむだがなく見つけ出しやすいでしょう。インターネット上には求職サイトが豊富に存在するため、その中から自分が住んでいる地域や募集に関しての前提や制約となる事柄を、理解して同意できるものを抜粋して応募する流れになります。いくつかの求職サイトでは会員登録ができ、自分の設定した条件に合致した求人が登録された場合・企業からスカウトがあった場合に、メールなどで通知してくれるサービスが利用できるのです。霊柩車の運転手の将来性霊柩車の運転手は、あとに遺された家族・親族・関係者の想いを乗せて、そこに気持ちがいっぱいに含まれた対応が要求される、きわめて大切な役割を担当する仕事です。日本では、少子化と高齢化が同時に進行する状況が続いており、将来的にも業界の必要性は高い水準をそのまま保ちつづけていくものと評価されています。給与面・休日なども安定しているため、生涯続けていける仕事としての魅力もあり、それ以外でも、人との繋がりを通じて得るものもたくさんあるはずです。まとめ今回は霊柩車の運転手の仕事について詳しく紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?少子高齢化が進む現代において、霊柩車の運転手の仕事は今後も需要があると考えられています。また、この仕事は離職率も低く、安定して長く働くことができる傾向にあるため、そのような仕事をお探しの方にはぴったりといえると思います。この記事を通して、霊柩車の運転手という仕事に興味を持っていただけたら幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。お仕事が気になった場合は、アドバイザーに聞いてみよう!お仕事が気になる、話をもっと詳しく聞きたいという方はお気軽に「葬儀のおしごと」にお問い合わせください。業界に精通したアドバイザーがお仕事について詳しくご説明いたします。