葬儀屋という仕事は知っているけれど、具体的な仕事内容や就職するには、どのような方法があるのかを知らない方は多いのではないでしょうか。今回は、葬儀屋の仕事内容の詳細と転職や就職に向けての方法、キャリア形成などをお伝えいたします。葬儀屋は、人生の節目に携わることが出来る仕事であり、貴重な経験が出来る仕事です。また、葬儀を滞りなく行わなければならないといったプレッシャーが掛かる仕事でもありますが、充実感や達成感を感じやすい非常にやりがいを感じられる仕事でもあります。この記事を読んで、葬儀屋という仕事の理解を深め、葬儀屋の魅力を感じて頂ければ幸いです。目次葬儀業屋とは葬儀業とは、葬儀全般に関わる仕事ですが、葬儀以外にも、ご遺体の安置、お通夜、葬儀後のアフターフォローなど業務は多岐に渡ります。また葬儀は、宗派や地域の慣習によって、作法なども違います。ここでは、葬儀業の仕事を知っていただく為に、一般的な葬儀の流れや仕事内容を詳しくご説明いたします。一般的な葬儀の流れ葬儀を執り行う上で、段取りよくスムーズに行う必要があります。そうしなければ、慌ただしい葬儀となり、故人を快く送り出すことができず、ご遺族も後悔が残ってしまうでしょう。次にご臨終から納骨までの一連の流れを詳しくご説明いたします。ご臨終ご臨終とは、人が亡くなることや亡くなる前のことを指す言葉です。ご遺族の方は、病院などから危篤の状態である旨の連絡があります。その際に、患者にとって親しい方や3親等以内の親戚に連絡するのが一般的です。また危篤の際に、あらかじめ葬儀社を検討しておくと安心することができます。不謹慎と思われるかも知れませんが、臨終を迎えてしまうと冷静な判断ができない可能性もありますので、事前に準備をしておくことをオススメします。安置安置とは、臨終を迎えると直ぐに火葬することができない為、死亡後24時間は、ご自宅や葬儀社の安置所にご遺体を保管する行為を指します。なおご遺体を搬送する際は、遺体搬送車を手配する必要があります。遺体搬送車は、葬儀社が手配しますので、この時点で葬儀社を決定する必要があります。もし葬儀社に迷っている場合は、遺体搬送車の手配のみ依頼できますが、一般的には、遺体搬送車の手配した葬儀社に葬儀を任せます。納棺納棺とは、故人の身体を清め、思い出のある物などの副葬品を納める儀式のことを指します。また納棺の際、故人やご遺族の意向によって、死化粧(エンゼルメイク)を施す場合もあります。納棺の儀式は、故人の身体に触れられる最後の機会となります。しかし、ご遺体の扱いは難しいので、葬儀社や納棺士に依頼するケースが大半です。お通夜お通夜とは、葬儀・告別式の前に親しい友人や親戚など、故人と縁の深い方が一緒に過ごせる最後の場です。またお通夜は、親族・家族のみが集う仮通夜と故人と縁の深い方なども集う本通夜の2つがあります。しかし、最近ではお通夜の縮小傾向が顕著であり、本通夜のみや通夜を行わず、葬儀・告別式のみ行うといった形もとられています。葬儀・告別式葬儀とは、本来、火葬や告別式の前に行われる儀式のことを指しますが、故人を弔う儀式全般を指す時も葬儀や葬式と呼びます。告別式とは、お通夜と同じように親しい友人や親戚、故人と縁の深い方が一緒に過ごせる最後の場です。故人が一緒に過ごす目的のお通夜に比べて、故人と最後の別れの場という意味合いが強いのが、告別式となります。出棺出棺は、霊柩車を用いて、葬儀会場から火葬場に向かう行為を指します。故人との最後の別れである告別式を終えて、出棺するという流れで葬儀が進んでいくのが一般的です。出棺とは、最後にもう一度、故人に最後の言葉や感謝の気持ちを込めて、火葬場に見送るといった儀式と捉えると分かりやすいでしょう。火葬出棺の儀式が終わると、火葬場にてご遺体を焼却し、ご遺骨を葬るのが火葬です。土葬と呼ばれる埋葬もありますが、衛生面などの問題もあり、日本の殆どが、火葬で行われています。また火葬に際しては「火葬許可証」が必要になります。葬儀社によっては、火葬許可証を預かってもらえるサービスもありますので利用することをオススメします。納骨納骨とは、火葬されたご遺骨を骨壷(こつつぼ)に入れ、お墓に埋葬することを指します。納骨の時期に定めはないのですが、お墓がない場合などもあるので、百箇日(ひゃっかにち)や一周忌などの節目の時期に納骨することが多いようです。葬儀屋の仕事内容は葬儀屋の仕事内容は、葬儀前のご遺族からの相談から葬儀後のアフターフォローまで多岐に渡ります。では、各項目の具体的な内容をお伝えいたします。遺族との相談ご遺族から葬儀の依頼を受けた葬儀屋は、ご遺体の管理に必要な業務を終えて、お通夜や葬儀の打ち合わせをします。故人の意向やご遺族の希望などをお伺いし、見積書などを作成します。遺体の管理ご遺体の管理は、ご自宅を選ばれることもあれば、葬儀屋や斎場の安置室を選ばれることもあります。葬儀屋は、ご遺体を清め、お供えものなどを準備し、環境を整えて安置します。葬儀の準備葬儀の準備では、会場の設営や弔問客のご案内、葬儀の司会進行のリハーサルなどを行います。当日は複数人の分担制をとり、葬儀が滞りなく進行するように、全体をサポートします。参列者の対応葬儀は、どれだけ準備をしていても予想外の事態に陥ることもあります。参列者が予想以上に増えてしまうことや、香典返しが足りなくなってしまうといった場合もあります。その際は、葬儀がスムーズに進行できるように参列者を誘導する、香典返しは後日お渡しに切り替えるなどの臨機応変で冷静な対応が求められます。葬儀後の手続き葬儀後の手続きとしては、四十九日の法要や一回忌、三回忌、各種手続きの届け出や相続に関することなどもあり、葬儀屋は、アフターフォローのサービスや各種手続きのアドバイスを行うこともあります。葬儀関連商品の提供仏壇の手配や喪中ハガキの作成、四十九日の手配など、葬儀屋は、葬儀以外での商品を提供し、ご遺族と長くお付き合いする場合もあります。葬儀以外にも、多岐にわたるサービスを提供しておりますので、葬儀屋は非常にコミュニケーションや信頼関係が必要な仕事と言えるでしょう。葬儀屋への就職とキャリアパス葬儀屋に就職するには葬儀屋に就職するには、3つの方法を用いて就職するのが一般的です。では、具体的に3つの方法を見ていきましょう。求人サイトに登録多くの求人募集を扱っている求人サイトに登録すると、葬儀屋の仕事が見つけやすいでしょう。また、人手不足の業界でもある葬儀屋ですので、比較的見つけやすく、未経験者歓迎の求人募集が多いのも特徴です。葬儀屋専門の求人サイトもありますので、葬儀屋を比較したい時や自分の条件に合う葬儀屋を見つけるには、便利なサイトです。専門学校を卒業最近では、多くの葬儀専門の専門学校があります。また専門学校によりますが、卒業すると就職先を斡旋してもらえる専門学校もあります。しかし専門学校に通うには、相当な費用が発生しますので、専門知識をつけて葬儀屋に就職したい方には、適した方法と言えます。アルバイトやパートから就職葬儀のアルバイトやパートから、そのまま正社員に就職する方法もあります。葬儀の知識や経験をある程度積んでいるので、入社しても初歩的な問題で困ることは少ないでしょう。また、転職を考えられている方は、ひとまずアルバイトやパートで働いてから、入社すると、より葬儀屋へのイメージがつきやすく、やりがいを感じて入社できるかも知れません。葬儀屋に求められるスキルと資質葬儀は、人生の最後を迎える儀式であることから、葬儀社に求められるスキルや資質は幅広くあります。ここでは、葬儀屋に就職すると、求められるスキルや資質を簡単にまとめました。コミュニケーション能力葬儀屋は、ご遺族の方に寄り添い、相談に乗ることが多い仕事です。その為、非常に高いコミュニケーション能力が必要となる仕事となります。高いコミュニケーション能力によって、各関係者とも信頼関係が築け、葬儀もスムーズに進行しやすくなります。また、ご遺族が相談しやすい関係を築けると、葬儀以降のサービスにも繋げやすくなるでしょう。情報管理能力葬儀屋の仕事は、葬儀全般に関する幅広い知識が必要となる仕事です。葬儀に関する法的手続きや文書管理を正確に行わなければ、信用問題にも繋がりかねません。また地域などによって、手続きや申請書類なども違うことがありますので、知識と経験を踏まえた情報管理能力が必要な仕事と言えるでしょう。ストレス耐性人の死に携わる葬儀屋の仕事は、悲しみに触れる機会が多い仕事でもあります。いかに、ご遺族の心中を察しながら、葬儀をスムーズに進行するかといった冷静かつ効果的に対応する能力が求められます。そういった意味でも、ストレス耐性が高くなければ、勤めることが難しい仕事でもあります。協調性お通夜や葬儀・告別式は、多くの関係者と協力してスムーズな葬儀を実現することが重要です。葬儀をスムーズに進行する上でも、協調性は欠かせない能力の一つとなります。文化・宗教の理解地域や環境、宗教によって葬儀式のやり方が、変わることがあります。文化・宗教の違いを理解し、葬儀に関する幅広い知識や経験が必要となりますので、日々、努力が欠かせない仕事と言えるでしょう。葬儀屋の仕事におけるやりがいと大変さ葬儀屋の仕事は、葬儀という儀式を通して、様々な経験を得ることができます。ここでは、葬儀屋の仕事特有のやりがいや大変さを簡単にまとめました。葬儀屋の仕事のやりがい葬儀屋の最大の魅力は、人のために尽くし、感謝されることに喜びを感じられることではないでしょうか。葬儀がスムーズに進行すると、自身の達成感や充実感だけではなく、ご遺族から感謝されることも多い仕事です。また、葬儀に関する知識や情報を、親しい方の相談にも活かすことができます。人に頼られることが多くなるのが、やりがいに繋がる仕事と言えるでしょう。葬儀業界のつらいところ葬儀業は、24時間体制で営業していることがほとんどです。それ故、昼夜逆転して生活を送ることもあります。また、お通夜や葬儀・告別式となると、長時間の労働になることもあり、葬儀の設営や準備などもあるため、非常に体力が必要となる仕事でもあります。体力に自信がない方にとっては、非常につらい仕事と言えます。葬儀屋に就職するなら葬儀業界は、個人経営の葬儀社から大企業の葬儀社まで大小さまざまな規模のある業界です。もし、葬儀屋に就職することを検討しているのであれば、大企業の葬儀社に就職することをオススメします。大企業の葬儀社は、教育体制が充実しており、経験を積めばスキルアップも可能な葬儀社が多いのが特徴です。大企業の葬儀社とは、どのような企業があるのかを次にご紹介いたします。葬儀社3社を紹介葬儀業界は、非常に狭い業界ですので、大企業の葬儀社といわれても、一般的に知られていない葬儀社であるのが実情です。なかなか馴染みのない葬儀業界ですが、特に大手として知られる3社をご紹介いたします。日本セレモニー全国の会員数が100万人を超え、葬祭施設に関しても200ヶ所以上もある大手の葬儀会社です。創業50年の伝統があり、葬儀業界を牽引してきた存在です。燦ホールディングス株式会社専門葬儀社最大手である「株式会社 公益社」を中核とする葬儀社です。また葬儀社として、初めて株式上場した企業でもありますので、非常に安定感のある企業です。株式会社ベルコ主に関西を中心とした葬儀社でしたが、全国展開を果たした葬儀社です。また教育制度も充実しており、未経験でも安心して就職できる葬儀社の一つです。葬儀屋の就職活動葬儀屋に就職・転職を検討している方は、どのような就職活動を行い、また就職に至る流れは、どういったものかを知りたいのでは、ないでしょうか。ここでは、葬儀屋への応募から就職に至る流れを簡単にご説明いたします。1. 求人サイトから応募葬儀屋に就職・転職を検討している方は、求人サイトに登録し、求人サイトから応募することをオススメします。求人サイトは、葬儀屋の比較検討ができ、自分の希望や条件にあった葬儀屋が見つけやすいのが特徴です。また求人サイトのエージェントに登録しておくと、面談対策や履歴書などの相談にも乗ってもらえます。求人サイトに関しては、葬儀業界に特化したサイトに登録することを特にオススメします。2. 書類審査葬儀屋に就職するにあたって、書類審査があるのは、一般の企業と変わりません。履歴書や職務経歴書は、自分をアピールできる書類ですので、自分の実績や強み、志望動機を明確にした書類を書くようにしましょう。葬儀業界は、人手不足で悩まされている業界でもありますので、履歴書や職務経歴書に葬儀業界に対する熱意を感じられれば、次の面接に繋がる可能性は高いです。3. 面接葬儀屋の面接で聞かれることは、一般の企業の面接で聞かれることと、それ程変わりはありません。一般的な質問事項に答えられるように事前に準備することと、必要であればエージェントに面接対策をおこなってもらうことも良いでしょう。特に志望動機などは、やる気が見られますので、しっかり答えられるように準備をしましょう。また葬儀屋は、非常に体力が必要になる仕事ですので、体力に関する質問もあるかも知れませんので、こちらも答えられるように準備をしましょう。4. 就職面接に合格すると、葬儀屋に入社できます。しかし、葬儀屋に就職してからが本番です。葬儀屋は、聞き慣れない葬儀用語や宗派・地域による葬儀式の違い、或いは昼夜逆転した生活などで、最初は、つらいと感じることも多いかもしれません。また葬儀屋は、知識と経験を得て一人前になるには、3年程かかるような業界です。3年ほど経つと、一通りの葬儀を経験したと見なされ、葬儀業界内での転職にも有利になります。まとめ今回は、葬儀屋の仕事内容や求められるスキルなどを具体的に解説し、葬儀屋への就職方法やキャリア形成について、お伝えいたしました。葬儀屋に就職するのは、それ程難しくはないですが、葬儀屋に対する魅力や、やりがいを知って就職しなければ、長く働けない仕事でもあります。日々、勉強の生活ですが、葬儀を滞りなく行うことができ、ご遺族に感謝されると、他の仕事では味わうことができない充実感や達成感を味わうことができます。また3年ほど経験を積めば、葬儀業界内での転職にも有利になります。葬儀業界を検討されている方は、葬儀業界の魅力を知った上で、サイトに登録し、自分の条件にあった葬儀社を選んでみては、いかがでしょうか。お仕事が気になった場合は、アドバイザーに聞いてみよう!お仕事が気になる、話をもっと詳しく聞きたいという方はお気軽に「葬儀のおしごと」にお問い合わせください。業界に精通したアドバイザーがお仕事について詳しくご説明いたします。